デエビゴ(レンボレキサント)の副作用
デエビゴ(一般名:レンボレキサント)は、覚醒に関わるオレキシン受容体を遮断する睡眠薬です。本記事では、PMDAが公開する添付文書を中心に、主な副作用と服用中に確認したい点を整理します。
要点: 傾眠、頭痛、悪夢、異常な夢、睡眠時麻痺などが報告されています。副作用の出方や薬の適否は人によって異なります。気になる症状があるときは、自己判断で量を変えたり中止したりせず、処方医または薬剤師に相談してください。
デエビゴの作用
オレキシンは覚醒の維持に関わる神経伝達物質です。デエビゴはオレキシン受容体を遮断して覚醒を抑えます。ベンゾジアゼピン系や、マイスリー(ゾルピデム)などの非ベンゾジアゼピン系とは作用機序が異なります。
作用機序が違っても、どの薬が「強い」「安全」「依存しにくい」と一律に順位づけできるわけではありません。期待できる効果、副作用、既往歴、併用薬を踏まえて医師が選択します。
デエビゴ・ベルソムラ・マイスリーの違い
デエビゴとベルソムラは、どちらもオレキシン受容体拮抗薬です。一方、マイスリーはゾルピデムを成分とする非ベンゾジアゼピン系の入眠剤で、作用する仕組みが異なります。薬の系統だけで優劣や適否は決められません。
| 薬の名前 | 一般名 | 作用の仕組み | 比較するときのポイント |
|---|---|---|---|
| デエビゴ | レンボレキサント | オレキシン受容体拮抗薬 | 入眠と睡眠維持のどちらが課題か、副作用や併用薬を含めて判断 |
| ベルソムラ | スボレキサント | オレキシン受容体拮抗薬 | 同じ系統でも成分、用量、相互作用などが異なる |
| マイスリー | ゾルピデム | 非ベンゾジアゼピン系入眠剤 | 作用機序が異なり、単純な「強さ」では比較できない。規制上も、マイスリーは習慣性医薬品に加えて向精神薬に指定されている点がデエビゴ・ベルソムラと異なる |
この表は薬の選択順位を示すものではありません。切り替えや併用を自己判断せず、現在の症状、既往歴、服用中の薬を処方医へ伝えてください。
添付文書に記載された主な副作用
添付文書の臨床試験データでは、884例中249例(28.2%)に副作用が認められています。頻度が示されている主なものは次のとおりです。
- 傾眠(10.7%): 最も頻度の高い副作用です。翌日まで眠気が残ることがあります。服用後は、自動車の運転など危険を伴う機械の操作をしないでください。
- 頭痛(4.2%)・浮動性めまい: 日常生活への影響がある場合は相談が必要です。
- 倦怠感(3.1%): 頭痛に次いで頻度の高い副作用として記載されています。日中のだるさが続く場合は処方医へ伝えてください。
- 悪夢・異常な夢(1〜3%未満): 夢の変化が強い、繰り返す、心理的な負担になる場合は処方医へ伝えてください。
- 睡眠時麻痺(1〜3%未満): 入眠時や覚醒時に身体を動かしにくくなる症状が報告されています。
- 頻度は低いものの記載がある症状: 幻覚、錯乱状態(いずれも1%未満)、睡眠時随伴症(頻度不明)。これらが現れた場合は速やかに処方医へ連絡してください。
禁忌と用量の上限
添付文書では、**重度の肝機能障害のある患者には投与しないこと(禁忌)**とされています(血中濃度が上昇するおそれがあるため)。中等度の肝機能障害では1日1回5mgを超えないこととされています。肝臓の持病がある場合は、処方の前に必ず伝えてください。
また、服用のタイミングにも指示があります:就寝の直前に服用し、服用して就寝した後、夜中に一時的に起きて仕事などで活動する可能性があるときは服用しないこととされています。
食事、飲酒、併用薬
食事の直後に服用すると、効果の発現が遅れる可能性があります。アルコールや他の中枢神経抑制薬との併用では、眠気などが強まるおそれがあります。服用中は飲酒を避け、服用する時間や他の薬との組み合わせは医師または薬剤師に確認してください。
飲み合わせで特に重要なのがCYP3Aという代謝酵素に関わる薬です。添付文書では、CYP3Aを中程度〜強力に阻害する薬(フルコナゾール、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、イトラコナゾール、ベラパミルなど)と併用する場合は、投与の可否を慎重に判断したうえで1日1回2.5mgとすることとされています。これらは内科や耳鼻科で日常的に処方される抗菌薬・抗真菌薬を含みます。逆に、**CYP3Aを誘導する薬(リファンピシン、フェニトインなど)**はデエビゴの作用を弱めるおそれがあります。市販薬やサプリメントも含め、服用中のものはすべて処方医・薬剤師に伝えてください。
副作用が気になるとき
症状が出た時刻、持続時間、生活への影響を記録して、処方医または薬剤師に伝えてください。服用量の変更、別の薬への変更、中止の必要性は医療者が個別に判断します。
睡眠日誌をつけると、寝つき、夜間覚醒、翌日の眠気と服用時刻の関係を説明しやすくなります。Zomniは睡眠習慣の記録を支えるウェルネスアプリですが、薬の副作用を診断したり、服薬を調整したりするものではありません。
相談時には、数日分の睡眠記録に加えて、処方薬、市販薬、サプリメントの一覧を用意すると状況を共有しやすくなります。インターネット上の体験談だけで副作用の原因や薬の変更を判断しないでください。
次のように記録すると、診察で具体的に説明しやすくなります。
| 記録すること | 例 |
|---|---|
| 服用と就床 | 服用時刻、食事との間隔、就床時刻 |
| 睡眠 | 寝つくまでの感覚、夜間覚醒、起床時刻 |
| 翌日の状態 | 眠気、ふらつき、頭痛、仕事や運転への影響 |
| 併用したもの | 処方薬、市販薬、サプリメント、飲酒の有無 |
強い眠気や意識の変化など緊急性が疑われる症状がある場合は、通常の記録よりも医療機関への連絡を優先してください。
CBT-Iを併用するとき
慢性不眠では、CBT-I(不眠のための認知行動療法)が初期治療として推奨されています。服薬中に睡眠日誌や刺激統制などへ取り組む場合は、主治医にも共有してください。特に睡眠時間を調整する方法は、健康状態によって個別の配慮が必要です。
よくある質問
デエビゴで太ることはありますか?
添付文書には、体重増加(1〜3%未満)と食欲亢進(1%未満)が副作用として記載されています。ただし、体重の変化だけでデエビゴが原因とは判断できません。食事、活動量、他の薬、体調なども関係します。服用後に気になる体重変化が続く場合は、記録を持って処方医または薬剤師に相談してください。
デエビゴとマイスリーはどちらが強いですか?
作用機序が異なるため、「どちらが強い」と一律には比較できません。主な不眠症状、年齢、健康状態、併用薬、副作用を踏まえて医師が選択します。自己判断で切り替えたり併用したりしないでください。
デエビゴには依存性がありますか?
添付文書上、デエビゴは「習慣性医薬品(注意―習慣性あり)」に分類されています。一方で、マイスリーのような向精神薬指定はありません。オレキシン受容体拮抗薬では、ベンゾジアゼピン系で知られるような反跳性不眠(中止直後に不眠が悪化する現象)は確立した所見としては報告されておらず、中止後に眠れない夜があっても多くはもとの不眠の再燃と考えられます。ただし、この表示や一般論だけで個人のリスクを判断することはできません。添付文書どおりに使用し、量を増やしたい、やめたい、効き方が変わったと感じた場合は処方医に相談してください。
デエビゴは翌日まで残りますか?
添付文書では、翌朝以後に眠気や注意力・集中力の低下が及ぶ可能性が示されています。服用後は自動車の運転など危険を伴う機械の操作をしないでください。翌日の眠気が続く、生活に支障がある場合は、服用状況を記録して処方医に相談してください。
デエビゴの効果時間は何時間ですか?
血中濃度の推移と、実際に眠れる時間は同じではありません。年齢、健康状態、食事、併用薬などで効き方が変わるため、一定の睡眠時間を保証することはできません。「何時間効いたか」だけで増減量せず、寝つき、夜間覚醒、翌日の眠気をまとめて医師へ伝えてください。
デエビゴで口渇が気になるときは?
添付文書には口内乾燥(1%未満)が副作用として記載されています。ただし、口の渇きだけで原因をデエビゴと断定することはできません。他の薬、脱水、体調なども関係します。症状が服用後に始まった、強くなった、続いている場合は、自己判断で薬を変更せず、処方医または薬剤師に相談してください。
お酒と一緒に飲んでもよいですか?
アルコールにより眠気などが強く出る可能性があります。服用中は飲酒を避け、個別の指示は医師または薬剤師に確認してください。
悪夢が続く場合はどうすればよいですか?
服用後の頻度、内容、日中への影響を記録し、処方医に伝えてください。自己判断で増減量や中止をしないでください。
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参考文献
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA). デエビゴ錠 添付文書・関連情報
- Rosenberg R, et al. Comparison of Lemborexant With Placebo and Zolpidem Tartrate Extended Release for the Treatment of Older Adults With Insomnia Disorder. JAMA Network Open. 2019. DOI: 10.1001/jamanetworkopen.2019.18254
- Qaseem A, et al. Management of Chronic Insomnia Disorder in Adults. Annals of Internal Medicine. 2016. DOI: 10.7326/M15-2175
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA). ベルソムラ錠 添付文書・関連情報
- 医薬品医療機器総合機構(PMDA). マイスリー錠 添付文書・関連情報
免責事項
本記事は情報提供を目的としており、医学的な助言、診断、治療の代わりではありません。薬の服用量、服用方法、中止については、必ず処方医または薬剤師にご相談ください。Zomniは医療機器ではありません。




