ベッドにいる時間のうち、実際に眠れているのはどのくらいでしょうか。それを示すのが「睡眠効率」です。CBT-I(不眠のための認知行動療法)では、睡眠日誌の中でも特に重要な数値として扱われます。
計算式はシンプルです。
睡眠効率 = 総睡眠時間 ÷ 就床時間 × 100
数値が高いほど、睡眠がまとまっている状態です。低い場合は、「ベッド=眠れない場所」という条件づけが進んでいるサイン — 布団の中で考えごとをする、時計を確認する、目が覚めたあともベッドに留まる、といった習慣が背景にあることが多くあります。
睡眠効率の計算ツール
睡眠日誌から1晩分を入力してください。大きな数字が臨床標準の睡眠効率(推定総睡眠時間 ÷ 就床時間)です。小さいZomniスコアは、参考としてアプリのコア睡眠区間を示します。
あなたの睡眠日誌
正確な時刻がわからない場合は分単位で入力してください。
有用な改善ゾーンです。CBT-Iでは複数夜のトレンドを見ます。
Zomniアプリスコアはコア睡眠区間を使うため、夜間に覚醒があった場合は高めに出ることがあります。どちらも教育目的の推定値です。CBT-Iでは1晩ではなく、複数夜のトレンドと安全性をもとに判断します。
計算ツールの仕組み
このツールは標準的な計算式(推定総睡眠時間 ÷ 就床時間)を使います。
まず就床時間(ベッドに入ってから出るまで)を起点に、眠っていない3つの時間を差し引きます。
- 入眠までの時間(入眠潜時)
- 夜間の覚醒時間(中途覚醒の合計)
- 最終覚醒後にベッドにいた時間
あわせて表示されるZomniアプリスコアは、アプリがコア睡眠区間から算出する数値で、夜間の覚醒は睡眠日誌に別枠で記録されます。そのため中途覚醒が多い夜は、標準の睡眠効率より高めに出ることがあります。
良い睡眠効率の目安
CBT-Iでは次のような実用的な目安を使います(Zomniも同じ区分です)。
| 睡眠効率 | 区分 | 読み方 |
|---|---|---|
| 90%以上 | 高い | 就床時間に対して睡眠がよくまとまっています。 |
| 85〜89% | 中間 | 数夜にわたって安定していれば、有用な改善ゾーンです。 |
| 75〜84% | やや低い | 就床時間がまだ長すぎるか、睡眠が分断されています。 |
| 75%未満 | 低い | 夜の多くの時間を目が覚めたまま過ごしています。 |
1晩の数値に一喜一憂しないことが大切です。ストレスや旅行、飲酒のあとの1晩はただのデータにすぎません。CBT-Iが見るのは複数夜のトレンドです。
CBT-Iでの活用方法
睡眠効率は、CBT-Iの中核技法である睡眠制限法(睡眠スケジュール法)で「睡眠の枠」をどう調整するかを決める基準になります。効率が安定して高ければ枠を少しずつ広げ、低ければまず就床時間を引き締めて刺激制御法と組み合わせる、という流れです。中途覚醒の原因と対策もあわせて読むと、夜間の覚醒がこの数値にどう影響するかが分かります。
なお、本ページは情報提供を目的としたものです。日中の強い眠気がある方、睡眠時無呼吸の疑いがある方、てんかん・双極性障害の既往がある方、妊娠中の方、運転や機械操作など安全に関わる仕事の方は、自己判断で厳しい睡眠制限を行わず、必ず医師にご相談ください。
アプリを使うメリット
計算そのものは簡単です。難しいのは、毎朝の記録を続け、トレンドを観察し、感情ではなくルールに基づいて睡眠の枠を調整すること。Zomniは睡眠日誌の記録、睡眠効率の推移の可視化、刺激制御法や一定の起床時刻といったCBT-I習慣へのひもづけをアプリ上でサポートします。
アプリ選びに迷ったら、CBT-Iアプリの選び方ガイドやCBT-Iアプリ比較ページも参考にしてください。
参考文献
- Spielman AJ, Saskin P, Thorpy MJ. Treatment of chronic insomnia by restriction of time in bed. Sleep. 1987. PMID: 3563246
- Edinger JD, et al. Behavioral and psychological treatments for chronic insomnia disorder in adults: an American Academy of Sleep Medicine clinical practice guideline. Journal of Clinical Sleep Medicine. 2021. DOI: 10.5664/jcsm.8986
- 厚生労働省. (2023). 健康づくりのための睡眠ガイド 2023.
※ 免責事項
本記事および計算ツールは情報提供を目的としており、医学的な診断や治療に代わるものではありません。効果や数値の意味には個人差があります。睡眠に関する深刻な悩みがある場合は、かかりつけ医または睡眠専門医にご相談ください。




